carbon dioxide

水の二酸化炭素への溶解度

我々のグループの新しい論文が出版されました。 この論文では、液体二酸化炭素(CO2)中への水の溶解度を、水または CO2 ハイドレート(包接水和物)が共存する条件下で、理論計算を用いて研究しました。主要な焦点は、低温・高圧条件下でハイドレートが形成されることによる溶解度の低下を定量的に評価し、その温度および圧力依存性を明らかにすることにあります。この研究は、二酸化炭素回収・貯留(CCS)におけるパイプライン閉塞や腐食といった CO2 大量輸送に伴う実用的な課題に関連する熱力学的特性に貴重な情報を提供します。研究チームは、化学ポテンシャルの計算を通じて、特定の水ポテンシャルモデルの自己分極エネルギーに対する補正を導入することで、実験的に観察される溶解度曲線を高い精度で再現しています。 Tanaka, H. et al. The solubilities of water in liquid CO2 coexisting with water or hydrate. J. Chem. Phys. 163, 124504 (2025) DOI:10.1063/5.0294608

二酸化炭素とキセノンの結晶の安定性

我々のグループの新しい論文が出版されました。 我々は、単純な分子性結晶の相挙動を探索し、液体と比較した安定性メカニズムの分子基盤を調べる。Xe と CO2の面心立方結晶の自由エネルギーは振動子の集まりとして計算し、液体の自由エネルギーは分子動力学シミュレーションによる状態方程式から計算した。固体の振動自由エネルギーは調和項と非調和項に分離される。調和的自由エネルギーは体積の膨張に伴って大きく減少するが、非調和的自由エネルギーは正であり、体積とともに増加する。これはいずれもポテンシャル面が放物線曲線から外れることに由来する。非調和自由エネルギーは、その大きさはそれほど大きくなく、熱力学的に固体を不安定にするものの、力学的安定性を高める役割を果たす。 Tanaka, H. et al. Stability mechanism of crystalline CO2 and Xe. J. Chem. Phys. 161, (2024). DOI:10.1063/5.0223879